ナイーブなMEは兼業農家

西オーストラリア州南部で建築とヤギ飼いの兼業農家。自給自足の生活を目指します!

ファームのブッシュファイヤーの報告。


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こんにちは☀︎

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

12月中旬から日本に一時帰国していましたが、12/20にオーストラリアの我がファームエリアが大火災になったため、3週間ほど予定を早め12/26にオーストラリアへ戻ってきました。

 

オーストラリアに戻ってからバタバタしていたので、報告が遅れましたが、12/29現在で分かっている状況を報告します。

 

まず、ざっくり言うと

  • 家:燃えてない
  • 動物:ヒヨコ以外無事
  • ファーム:3分の2以上燃えた
  • 火:まだ燃えている
  • ハウスシッター:仕事を果たせず出て行った

 

12/26の夕方にファームへ到着。

ゲートから家のあるエリアまで3kmほどの道が続きますが、片側は黒と茶色の燃えた景色が続き、心の中の不安が大きくなりました。f:id:kengyonouka:20181229123039j:image

 

家・家周り・動物

しかし、家周りは思ったよりマシで、家からざっと見える範囲は少し焼けているものの、出発前とあまり変わらず、ホッとしました。

なんせ、最後に受けた情報によると、焼けるはずのない所が焼けていると言われたので、家も焼けてるかも・・・という気持ちがあったからです。

ヤギとアルパカ、ニワトリ、小鳥 (フィンチ) は無事でしたが、出発前に生まれたヒヨコは2匹とも熱さで死んでしまいました。

 

ファーム全体の様子

到着しときのホッとした気持ちのおかげで、それなりにリラックスして目覚めた翌日。

トラクターで家の裏の側を回って現実を見て、前日のマシと思っていた気持ちから一気に撃沈しました。

 

自然エリア

うちのファームは他のファームとは違い、たくさん木があるのが魅力です。

この写真↓は、火災発生三日目の我がファームが焼ける前の写真です。

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赤で囲ったのが我がファーム、黄色が家のある所。赤枠の左上や下部分の薄茶色の部分が木の無い平原で、それ以外の深緑は全て森です。我がファームの後や横は自然保護区なので、自然の森林が続いています。

今回の火事は、この森林が燃え続けたため、木の多い我がファームは大ダメージを負いました。

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自分たちの披露宴パーティーに持ち込んだほど私の大好きなオーストラリアのワイルドフラワー『バンクシア』もこの通り。f:id:kengyonouka:20181229124432j:image

森林エリア以外の平原も焼けたので、ヤギたちの食べる餌が無く、干草を買う必要があります。ただでさえ雨の少ない夏は、たくさんの家畜ファーマーが干草を欲しがるので、良品良質のものを見つけるのが大変です。f:id:kengyonouka:20181229170305j:image

 

破壊されたフェンス

燃えた木が倒れてきて、フェンスが壊れています。

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そしてこの木の被害以上に、消火活動中のブルドーザーによって破壊されたフェンスがあちこちに。

フェンスが機能しないということは、ヤギやアルパカの放牧ができません。火事が起きてから狭いエリアに閉じこめているので、一刻も早くフェンスを立て直さないといけません。

また、ファームと自然保護区の境界線のフェンスも壊れているので、これも一刻も早く直さないと誰しもがファームに入ってこれるという物騒な状況です。

 

荒れた道

ブルドーザーやトラック、たくさんの車が行き来したため、車道が大荒れです。

旦那氏の弟の車でファームへ戻ってきましたが、弟の車はセダンなので大変でした。

 

現在もファームは燃えています

ファームに到着した日は風の弱い日だったので、鎮火したかのように見えましたが、翌日からまた燃え始めました。

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道無き森が燃えるので、消火活動ではなく風向きを読んで燃やし返し (バックバーニング)をするしかありません。

ここ数日は、火事から逃れた森林をバックバーニングで焼いては、燃え広がりがないかの確認の繰り返しです。

 

ハウスシッター

5週間日本にいる予定だったので、その間の留守をハウスシッターにお願いしていました。

自称早期退職ファーマーで、とても感じのいい夫婦という印象の人々でしたが、実はだいぶ期待はずれでした。

元ファーマーにしては有り得ない行動をたくさんしてくれ、彼らの去った今はその後処理でも大変です。

 

水の無駄使い

我がファームの水資源は雨水と地下水です。これらをタンクに溜めて使っていますが、私たちが留守の5週間でタンクの水が無くならないように、だいぶ予備の水を用意しておきました。

が、ガーデニング大好きな奥さんが毎日大量の水を芝生にやって、タンクは既にほぼ空っぽ。

もしもタンクが空になるようなことがあれば、空になる前にココとソコをいじってポンプを動かす事など、とても基本的な事を旦那さんに伝えていましたが、その操作を誤りポンプを壊してしまいました。

水が無いと生活できないので、消火活動をしながらのポンプ修理にかなり時間を取られました。

 

お花大好き

ガーデニング大好きな奥さんが、家中を花で飾っていました。

とても綺麗なので見た目は良いのですが、これらの花は国立公園から採ってきたと堂々と言っていました。

野生の花を摘むこと、ましてや国立公園内の植物を採ることは禁じられています。見つかれば罰金ものです。

とても綺麗な花でしたが、人に見られてはまずいので処分しました。

 

大丈夫、大丈夫

火事が発生してから、旦那氏がハウスシッターと頻繁に連絡を取っていましたが、一目散に逃げていました。

旦那氏としては、家に残って少しでも状況を説明してほしかったようですが、私はこの点に関しては何とも言えません。どこまでハウスシッターに頼っていいのかは今後の課題。

ただ、腹立たしいのは真実を伝えていなかったこと。旦那氏があれこれ聞いても、『大丈夫、大丈夫。問題ないよ。』との答えだったので、たまの近所の人からの電話の内容と違って混乱したり、ファームに戻ってからのショックが大きかったです。

真実を伝えていなかったのか、ファーム到着直後の私のように見える範囲がひどくなかったから、本当に大丈夫と思っていたのかは不明ですが。。。

 

彼らは私たちがファームに戻った時には、『もう火は落ち着いたから、戻ってこなくてもよかったのにー』と呑気なことを言っていましたが、我々とのあまりの温度差に気付いたのか、翌朝出て行きました。

 

火災発生から10日目の今

前にも述べたよう、まだ火は燃えています。

町全体の厳戒態勢は解かれましたが、まだ我がファームだけ火が上っている状態です。

今のところファーム全体800haの3分の2以上は焼けてしまいました。今回の火事でどうやら一番の被害を受けたのは我がファームのようです。

消火活動にあたった消防団の人が巡回で来てくれますが、みんな口を揃えて『家周りの火の備えはばっちりだったね!』と褒めてくれます。

日本行きの前に家の周りの不要な木を切ったり、落ち葉集め、草刈り、野焼きが家の周りエリアを救ったようです。

 

これはちょうど一年前↓

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そして、昨日同じ場所で↓f:id:kengyonouka:20181229184521j:image

 

緑を取り戻すには雨が必要。

しかし、ファームエリアは2週間以上雨が降っていません。週間天気予報を見ても、雨の気配無し。

 

長くなりましたが、今後もバックバーニングによる消火活動、フェンス直し、車道直しなどなかなか終わらなさそうな戦いが続きます。