ナイーブなMEは兼業農家

西オーストラリア州南部で建築とヤギ飼いの兼業農家。自給自足の生活を目指します!

オーストラリアの田舎ご近所トラブル


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こんにちは☀

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

私の住んでいるエリアは農場だらけのすんごい田舎です。住んでいる町の人口は約100人、町の中心部には住宅が十数軒、商店兼のガソリンスタンド、フットボール場、消防団の倉庫しかありません。学校も教会も公衆便所さえもない、本当に本当に小さな町です。

ほぼみんな農場持ちと言ってもいいような環境なので隣の家まで何kmも離れており、お互い姿など見えません。我が家から最も近所の家は直線距離で約1kmと近めですが、間に森があるので光も音も遮断されて存在が気になりません。反対側の近所は直線距離で約3~4kmくらいかな?この間には森も林も無いので夜になると遠くに電気が灯っているのが見えますが、豆粒程度です。この3~4kmの間に遮るものがないというのも、オーストラリアの穀倉地帯の田舎ならでは!!

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真っ平らで本当に何もありません!

そんな田舎で暮らしていると、のどかでご近所トラブルとかないんやろうなぁと羨ましがられたりするのですが、意外とあるんです!

どんなトラブルがあるのか紹介します。

実際に見聞きしたご近所トラブル

ケミカル撒くな!

これはうちから少し離れたファーマー同士のトラブル。

一方はキャノーラや大麦などを生産する600haある穀物ファーム、もう一方は無農薬のブドウを栽培する50haほどの小さめのファーム。

穀物ファームは化学薬品を使って除草などをしますが、それを無農薬ファームは嫌います。

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お互い境界線に近いところは何も植えないようにはしていますが、やはり風向きなどでもめることが多いようです。

水の奪い合い

2018-2020年の前半までは100年に一度の大干ばつだったので、どこも水不足で大変でした。

このエリアには困ったら誰でも使っていい溜池みたいなのがありますが、その当時はその溜池に隣接する2つのファーマーが水の取りすぎやらなんやらでもめていました。

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旦那氏は一方のファーマーに頼まれて水を汲み上げる用のパイプを貸してあげましたが、他方のファーマーからはそのパイプを取り戻してくれと言われて板挟み状態になったことも。

銃がこわい

お互いが銃持ちで理解あるファーマー同士ならば問題ありませんが、そうじゃない人が近所だと嫌がられるようです。

近所方面に向かって発砲することはないのですが、慣れない人にとっては嫌なのでしょう。

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ある仲の悪い近所同士の一方が、日頃の不満もあって警察に『脅されてるようで怖い。もし間違って撃たれたらどうしよう。』と苦情を申し立てたところ、その他方の近所が『俺はそんな腕は悪くない。殺したけりゃちゃんと外さず撃つよ。』と回答したのは有名な話。

ペットが殺された・・・

これは旦那氏の体験談。

少し離れた近所の犬が勝手にやってきては、倉庫を荒らしたり鶏にちょっかいかけたりと迷惑でした。

飼い主に忠告するもあまり真摯に受け取って貰えず、なんかやらかしたら撃っていいからと言われました。

ついにある晩、この犬に飼っていたガチョウ10羽が惨殺されました。

翌日この犬が現れたときに旦那氏は射殺したそうな。

お互いそれ以来、口を聞いていないそうです。

防火路の手入れ

近所のファームとの境界線、すなわちフェンス沿いは防火路として整備していないといけません。ブッシュファイヤーになって火が移ってきたら大変ですからね。

2018-19年に起きた我がエリアのブッシュファイヤーでは、我が家はちゃんとしていたのに隣接する州の自然保護区側がちゃんと手入れしていなかったせいで火が移り、結果的に600haが燃えてしまいました。

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燃えてしまった我が家のファーム

ブッシュファイヤー後には州に対して旦那氏が抗議しまくりましたが、たらい回しにされて未だに明確な回答がもらえていません。

また、このブッシュファイヤーが起きたときは日本にいた私たちですが、隣の家の人が自分の防火路をちゃんとしていなかったせいでパニクり、私たちのいないうちに自分たちの難を逃れようと不必要に我が家の敷地を燃やしたのです。おかげで何百万円相当の灌漑パイプが焼けてしまいました。

旦那氏にはこの近所に文句を言ったり賠償請求すれば?と言いましたが、このときの旦那氏は怒りと悲しみに溢れており、話すだけ時間の無駄だと言って、復旧作業に専念していました。

実は後日談で聞いたのですが、復旧作業中の旦那氏にこの近所が話しかけて来ようとしたらしいですが、旦那氏は『復旧作業に忙しいから話しかけるな。』と言ってあしらったそうです。

このブッシュファイヤー以降この近所とは口も聞いていません。実は、彼らはこのあと別のすごい悪事がバレて(この次に詳細あり)、地域全体から嫌われてしまい引越しました。

違法トレイル!

これは、先程のうちの敷地を焼いた近所の悪事のこと。

この人はバイクが好きなのですが、自然保護区を勝手に開拓して自分だけのバイクトレイルを作っていたのです。しかもその距離30km以上!!

そのうえ、友だちを招待したりバイク仲間を集めて有料イベントまで開催してお金儲けをしていたようです。

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うちのエリアは田舎の中でも西オーストラリア州独特の自然が多く残るエリアで、自然保護に対する意識の高い人が多いです。

実はブッシュファイヤーになったことでこのトレイルを隠していた茂みが焼けてしまい、全てが明るみになりました。

彼を呼んでの地域の説明会が開かれたり、もうこれ以上トレイルを使いませんと誓わせたり、他の人が勝手に使えないように出入り口を封鎖させたりと色々ありました。

肩身も狭かったのでしょう。本人たちはもともと隠居は別の街ですると言っていましたが、遂に今年4月に引越して出ていきました。

現在はとても感じのいい老夫婦が住んでおり、今回は良い人が来てくれてよかったと地域で喜んでいます。

 

ということで、こうやって書き出してみると水や炎など自然にまつわることが多いようです。

よく一般住宅街であるような騒音問題は皆無と言いたいところですが、あえて言うならば農薬散布などを飛行機でやられたときの騒音や、騒音の大きなトラクター作業が何日も続いた時はちょっとイラッとします。でも、これはファーマーとしてお互い様ということで苦情を言うことはありません。

また、田舎は噂がすぐ広まりますよ~

カムフラージュできるほど人も出来事もないですからね💦

結局どこに住んでもご近所トラブルはつきものみたいです。