ナイーブなMEは兼業農家

西オーストラリア州南部で建築とヤギ飼いの兼業農家。自給自足の生活を目指します!

ジローのこれまでとこれから


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こんにちは☀️

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

こっちの人にもShiba(柴犬)やHachi(ハチ公)みたいと言われるほど和犬顔な愛犬コーギーのジローくん。

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コーギーらしい顔面の白線がなく、かつ真っ黒なおめ目とお鼻がそう思わせるでしょうか。

この真っ黒な目がそうだという訳ではないのですが、実はジローには目の病気があります。

今日に至るまで、家族以外に言っていなかったエピソードが山のようにあるので、ここで一気に書きたいと思います。

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むずかしいジローくん

目のことが発覚したのは生後3ヶ月の頃で、2回目のワクチン接種を受けに行ったとき獣医に目の中に影があるから専門家に見てもらった方がいいと言われました。

実は獣医に指摘される前から、少し視力が良くないかもということは思っていました。

というのも、遊んでいる最中に物や私の足にぶつかるということが何度があり、目線が合いにくいということを感じていたのです。

しかし、相手はまだ3ヶ月にも満たない子犬。そんなこともあるだろうと特に深刻には考えていませんでした。

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また、ジローはタロウと比べると性格も運動神経も食欲も全然違いました。個体差があるのでこの2匹を比べてはならないとは常々思っていますが、明らかに違います。

タロウはうちに来たときから積極的で人間大好き甘えん坊で遊ぶのが大好きで運動神経抜群で食欲旺盛でしたが、ジローはシャイで触られるのが嫌いで、行動はゆっくりで遊びに興味が薄く、かつご飯に興味がない子。

同じブリーダーで血縁もそれなりに近いのに、こうも違うものかとかなり戸惑ったものです。

うちに来て最初の2日間はとても大人しかったのですが、3日目から抱っこしようとすると唸る噛むという行動がありました。その唸り声はタスマニアデビルを彷彿させるほどのもので、私たちに慣れてもらうのにとても苦労しました。なんせご飯にも遊びにも興味が薄いので、私が涙する日があるほど本当に大変でした。

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病名宣告

毎日少しずつですが心を開いてくれて、なんとか懐いてくれた頃に眼科専門医を受診。このとき私は同行できず、旦那氏がジローを連れて行きました。

そこで若年性の白内障と診断されたのです。

これは先天性のものとは限らず、産まれてくるときにストレスがかかると後天的になったりもするらしいです。

現段階ではほとんど普通に見えているはずだけど少しづつ視界が悪くなり、最悪失明するかもしれない。でも、それがいつになるかは分からないとのこと。

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手術するには今は若すぎるから、完全に成長しきってから手術しましょうと言われ、それまでは薬を使って進行を遅らせるということになりました。そして、その薬は調合薬品なので、後日郵送で送られてきました。

悪夢の薬

送られてきたものは粉末のカレー粉のような色をしたドロっとした液体と小さな注射器。

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よくある小さなボトル入りの目薬が送られてくると思っていたのでびっくりしました。

説明書きには

Give 0.3ml by metric measure ONCE daily.

とだけ書かれており、1日1回0.3mlを与えるようにということ。

こんなの目に入れるとか拷問やし、どう見ても目薬には見えなかったので眼科に電話して確認しました。

旦那氏は眼科医に目薬の入れ方は教わったけど、こんな注射器を使った方法は習っていません。

どうか飲み薬であってほしいと願いましたが、これは目に入れるもので両目に0.3mlずつ入れてください、と言われました。

ただでさえ抱っこや触られるのが苦手なジローなのに、こんなカレーみたいなものを注射器で入れるとか困難極まります。

しかし彼の目のためと思うとやるしかないので、旦那氏と2人がかりで押さえ込んでやりました。

当時まだ生後3ヶ月弱のジローの体重は5kgに満たなかったのでなんとか抑えてできたものの、やはりパニック状態になりました。

なんせドロっとしたカレー色なので、目が見えていません。

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あまりにも嫌がるジローが可哀想すぎて私も涙が出ました。こんなの毎日するとか地獄すぎる。進行を遅らせても、ジローが私たちを嫌いになってしまうと思い、この日は片目だけにして別の策を考えることにしました。

とりあえずもう一度眼科に問い合わせをして別の薬はないか聞くことにしましたが、この日は金曜日の夜。月曜は祝日だったので、電話は火曜日までできませんでした。

そして案の定、ジローはその晩から私たちを警戒するようになり、彼から歩み寄ってもらうのに数日かかりました。

クソ眼科

火曜日にさっそく電話したところ、信じられないことを言われました。

それは、あの薬は飲み薬だというのです。

これを聞いた瞬間、冗談無しで血の気が引きました。

そして、その血が一気に逆流して私たちはブチ切れ。

電話をしていたのは旦那氏で猛抗議をしていましたが、向こうからは電話口の人のSorryの一言しか謝罪されませんでした。

気になるのは、そんな薬を目に入れてしまったことで何か悪影響がないのか、ということで、眼科と話していても埒が明かないので、薬を送ってきた調合薬局に電話。

そして言われたのが、

あれは薬ではなくただのビタミン剤やから大丈夫と言うではないですが。

いやいやいやいや、うちらはただのビタミン剤に130ドルも払ったんかい💢💢💢

薬のラベル表記もGiveだと、目なのか口なのか耳なのかわからんやろがい!と言うと、giveは普通は口だよと言われてしまいました。

怒りの頂点に達した旦那氏は第三者委員会のようなところにも連絡し、あの眼科は最悪だと訴えていました。

とにかく、この一件でジローは目に関するトラウマを持ってしまい、私たちもこの眼科医を信用できなくなりました。

トレーナー探し

それから月日が経つなか、気難しいジローを少しづつ色んなことに慣れせていくため日々試行錯誤して育てていきました。

なにせ、彼の将来のことを考えたら意思疎通がしっかりできないと困ることが多いのは事実です。

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しかし私たちの力では限界を感じてきたため、トレーナーに付いてトレーニングすることも視野に入れ始めました。

今思えば子犬の頃からそうしておけばよかったのですが、なにせ私たちの住んでいる地域にトレーナーはいませんし、パピースクールのようなものは150km離れた街にしかないし、選択肢が少ない上にすべて夜開催ということで諦めていました。

150km離れた街にはトレーナーが3人いるようで、そのうちの一人に連絡し、街で30分の無料カウンセリングを受けました。

私にとって生まれて初めてのトレーナーさんとの接触だったので、とてもドキドキわくわくしていたのですが、その人の態度や発言は私の思っていたのと違いました。

※私の理想のトレーナー像を語ると長くなるので、そこは割愛させてもらいます。

そのうえトレーニング費用が思った以上に高い!私の思っていた5倍くらいしました。

何かフィーリングの合わないこの人に、これだけのお金を払ってジローの運命をかけるのは何か違うと悟り、このトレーナーさんとは縁がなかったということで、また別のトレーナーさんに話をしてみようということになりました。

それからFacebookで良いレビューがたくさん付いているトレーナーに連絡するも、多忙なようですぐに自動返信が来たものの、なかなか進展せず。

セカンドオピニオン

生後3ヶ月で白内障と診断され、悪夢の薬を目に入れるはめになり、それから紆余曲折しながらもジローは日に日に可愛さを増して成長していきました。

なんといってもキャンプ旅は楽しかった!

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ジローも生後8ヶ月を越えたので、次は別の眼科医へ連れて行くことにしました。

ジローの様子としては、遊び中に私の足にぶつかったり、投げたおもちゃが止まったら見つけられなくなったり、ソファーに飛び乗るタイミングが早すぎて乗り切れなかったりということがたまにある感じですが、まだ言うても子犬やしなんせ運動神経が悪い方なので目のせいとは言い難いというところ。

私は心のどこかで白内障ではないのかもしれないという期待を持ってのセカンドオピニオン。

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基本的に獣医嫌いのジローですが、受診台に乗るまではなんとか大丈夫だったものの、目の中をライトで覗かれるとガルガルと急変し看護師に抑え込まれて口輪を付けられての診察となってしまいました。

その様子を見ているだけで心が苦しくなって涙が出そうになる私。

そして、やはりここでも白内障だと言われてしまいました。

震えるジローを擦りながら話を聞いていくと、今回は手術できる月齢になっているので話が具体的に進んでいきました。

この眼科医は、

手術するならば早いに越したことはない。成功率90%なのに何を躊躇う必要があるのか。少しでも早く良い視界を与えるべき。遅い方がいいという意見もあるが、それは遅くなればなるほど視力が悪くなるので、手術が失敗しても失うものが少ないからだ。

と言いました。

なるほどと思いながら、手術の話や術前後の予定を聞きました。

これがまた過酷なことに、手術前から目薬が始まり、手術は午前開始で午後には終わって即退院、術後3,5,7日目は受診しないといけないので、私たちはパースに1週間泊まることになります。ただでさえジローには手術のストレスがあり視力が戻るのに数日かかるというのに、自分の家じゃないところで1週間も過ごすだなんて厳し過ぎる。しかも眼科医が言うに、最初の1週間は術後のストレスもある上に目薬もあるので地獄を覚悟しないといけない、ジローには口輪が必須と言うではないですか。

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その手術を翌月にしようということになり、私たちの予定も確認しないといけないので、後日連絡するとのことで話が終わりましたが、私の心は動揺していました。

獣医に目を見られてあんなにジローが抵抗しているのに、どうやって目薬をさせるというのか。ようやく魔の薬のトラウマが消えかかっているというのに、今またこんなことをしていいのだろうか・・・

とりあえず手術までの間に必要な目薬(1日2回両目に点眼)を処方されて帰ってきました。

旦那氏との話し合い

眼科のあと旦那氏とよく話し合い、手術は早く受けたいけど、とりあえず目薬をしながら様子をみようということになりました。

そして、術後のことを考えてもトレーニングはプロに相談してちゃんとしていこうということに決めました。

また余談ですが、実はタロウがいたときからコーギーをつがいで2匹飼ってみたいという夢があり、来年あたりにメスの子犬でも飼えたらいいなと考えていました。実際に、キャンプで訪れたコーギーブリーダーさんから、来年2月に出産予定があると連絡がきていました。

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しかし、ジローのことを考えると子犬というよりは、ジローをリードしてくれる先輩犬の方がいいのではないかという考えも出てきました。

これに関しては、いつ欲しいとかは決めておらず、そういう良い話があれば聞いてみたいというくらいで留めておくことに。

絶望と2件目のトレーナー様

眼科医を受診した翌日、なんと2件目のトレーナーから電話がかかってきました。

ジローの様子やなぜトレーニングしたいのかなどを質問されるものでしたが、堰を切るように白内障や手術の話を一気にしてしまいました。

すると彼女は丁寧にアドバイスをしてくれ、とりあえず目薬に慣らせていく手順を教えてもらいました。

電話の感じだけでも、とても経験があって話をよく聞いてくれ、私の求めるトレーナー像でもあり、この人に付いていきたいと思える人でした。彼女は無料カウンセリングはやっておらず、2時間の訪問カウンセリングで有料。もちろんこれまた私の思った倍以上の料金でしたが(それに往復300kmの交通費代としてプラス2万5000円)、それでも会って話してみたいと思える人だったので、8月初旬に予約しました。

この電話から実際の訪問カウンセリングまで約1ヶ月ありましたが、その間もメールや電話でアドバイスをもらうことができました。

目薬に挑戦するも・・・

この電話のときに目薬に慣れさせていくアドバイスをもらい、後日メールでも役立つリンクを送ってもらっていましたが、手術を少しでも早く受けられるようにと焦っていました。

手術に向けてすぐにでも目薬を始めないといけなかったので、慣れさせトレーニングは数日だけして、本番に挑みました。

そしたら少し抵抗はされたものの、意外にも目薬できたのです!

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しかしこれは何が起こるか分かっていないビギナーズラックのようなもので、夜の2回目のときには何かを企んでいるとバレて呼んでも来てもらえず。

ちょっと抑えて無理にやろうとしたら大抵抗されて噛まれ、暴れた反動でお互いの前歯がぶつかって、私の前歯が折れました。

それと同時に私の心の中でも何かが折れてしまい、涙が溢れてきました。

これはどう考えても、数ヶ月でどうこうできるようなものではないと確信したのです。

我々の決断

このあと旦那氏とじっくり話し、ジローのこれからを考えました。

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そして出した決断は、手術は急がない。

獣医は、

成功率が高いのだから少しでも早く手術をして、早く良い視力を与えるべき。遅い方がいいという意見もあるが、それは遅くなればなるほど視力が悪くなるので、手術が失敗しても失うものが少ないからだ。

と言いました。

しかし、ジローの現状を考えると、大嫌いな目薬を力づくで無理矢理して手術を急いでしたところで、トラウマをつくったうえに私たちとの関係性が完全に崩れるのは目に見えています。視力が良くなったのに、人間不信でいいとは思えません。

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たしかに獣医の言うように、早く良い視界をと願う気持ちはありますが、まだジローは見えています。ならば、目薬が怖くないように時間をかけてトレーニングして、手術後も抵抗なく目薬をできるようにしてあげたい。

もし手術がうまくいかなくて、最悪失明したとしても、私たちとの関係性がちゃんと確立しているならばジローは安心して暮らせるはず。

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だから怖がりのジローが目薬を受け入れられるよう、トレーニングに投資する。

そして、もう1匹というのは子犬ではなく年上の犬で要検討。でもこれは縁があればということで、そのときがいつくるかは成り行きに任せることに。

この決断をしたのが7月中旬のことです。

ここから、まさかの急展開が起こるのですが・・・⬇⬇⬇