ナイーブなMEは兼業農家

ワーホリ中に国際結婚、現在は西オーストラリア州で兼業農家。私の経験や驚きを様々なジャンルで紹介!

日本の教師は何でも屋?!オーストラリアの専門性を発揮した仕事の仕方


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こんにちは☀

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

私たちは夫婦で建築業もしており、先日はある小学校のパイプの付け替え工事をしました。

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緑色のは倉庫で、雨樋に流れてきた水は❶を通って雨水タンクに溜まるようになっています。

葉っぱなどの異物が流れてきたら、重みで❷へ落ちるような仕組みです。

❷の先にはキャップが付いており、それを開けると葉っぱや枝などの異物が取り出せます。このキャップを開けて定期的に掃除しないと、すぐに異物でいっぱいになってしまい、飲料水の味に影響が出てしまいます。

※この学校には水道が通っていないため、雨水を飲んでいます。

私たちは年に2回この学校で飲料水のフィルターやUVライトを交換する仕事をしており、そのついでにパイプの点検もするのでキャップを開けてパイプ掃除をしますが、いつも異物が溢れ出てきます。

できればこのキャップ開けをもっと頻繁にして欲しいのですが、今の状態では学校職員ではでにないとのこと。

ただ脚立に上ってキャップを開けるだけなのに何故できないのか不思議でなりませんでしたが、実はオーストラリアの学校職員は高いところに上ることは禁じられているんですって!

労働安全衛生法(Occupational health and safety)

これが事実なのか知りたくて、Twitterで相互フォローしているオーストラリアやニュージーランドの教育現場の方に質問してみました。

頂いた回答は

とにかくみなさんが口を揃えて言うのは、Occupational health and safetyすなわち労働安全衛生法の観点から研修を受けないと脚立やハシゴには登ってはいけないということです。

これはオーストラリアの話ですが、日本にもこれに相当する日本の労働安全衛生法というものがあり、労働安全衛生法とは|(社) 安全衛生マネジメント協会で以下のように説明されています。

労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的で制定された法律です。

また、その手段として「労働災害の防止のための危害防止基準の確立」、「責任体制の明確化」、「自主的活動の促進の措置」など総合的、計画的な安全衛生対策を推進するとしています。

ほぉ。

深いところまでは読んでいませんが、労働者の健康と安全を守るための法律だということだと私は解釈しております。

なので、高い所での作業は学校職員の仕事ではないので専門家に任せるべしということかと。

ただ、脚立が全面的にダメなのではなく、常識的に考えて教師だって脚立に上って掲示物を貼ったりすることはあるので、最初のはつさんの回答にあるよう『2m以上の高さの作業は✖』というのが現実的かと思います。

脚立を使うにも安全を確保するために、事前に研修が必要なようですね。

これは学校現場だけでなく最後のローラさん回答にもあるよう、食品関連でもハシゴはダメだということを考えると、ハシゴに上ってまでする仕事は君の仕事ではない!!ということです。

では、誰の仕事か?

はい✋

私たち、建築業の仕事なのです。

※もちろん内容によりますが💦

これまでハシゴを使った意外な?仕事

ハシゴを使った仕事としては屋根の修理や壁の張替えなどは建築業として当たり前ですが、えっ?あなたたち自分でやらずに、うちらに金払ってまでしてして欲しいの??という仕事がいくつかありました。

❶パイプの付け替え

冒頭のパイプの付け替え工事ですが、学校職員にキャップを開けてもらうために脚立要らずで開けられるように低く付け替えました。

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各学校に庭仕事をする用務員もいるのですが、どうやら彼らも高い所での作業はしないようです。

❷教室の窓や換気扇掃除

各学校には掃除専門のクリーナーもいますが、クリーナーも脚立に上ってまでの掃除はしなくていいそうです。

ということで、クリーナーの手が届かない窓の上の方の掃除や家庭科室の換気扇掃除をお願いされました。

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❸警察署の国旗の紐交換

私たちは自治体の下請け業者でもあるので、警察署の修理仕事もたまーにあります。

警察署といっても田舎担当なので、交番みたいな大きさです。

どの警察署にも国旗を掲げるポールがあるのですが、その紐を交換する仕事依頼がありました。

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紐の交換事態は30分もかかりませんでしたが、現場まで往復2時間。こちらとしては交通費も支給されるのでいいですが、それくらい自分たちでやらないの?!とびっくりしたのを覚えています。確かこの仕事だけで500ドル近くもらえたような・・・

日本の教師は何でも屋?!

上で紹介した3つの脚立に上っての仕事は、私が日本で教師をしていたときは全て教師がやっていたような仕事です。

高い所での作業としては掲示物を貼るだけでなく、エアコンのフィルター掃除、カーテンの付け替え、換気扇や扇風機の掃除も教師がしました。

ぶっちゃけ脚立がそんなにあるわけではないので、机の上に椅子を乗せてその上に立って作業していました。

危ないですけど、限られた期間内で各担任が教室のカーテンの付け替えしたりフィルター掃除しようとなるとそうなるのです。

年配の先生なんかは若手に頼んでましたけど。

そもそも、『掃除』も教師の仕事でした。

日本の学校教育では子どもたちが校舎を掃除するという世界的に見て珍しいものですが、私は個人的に子どもが掃除することに大賛成です。

www.naiveme.net

しかし、子どもの掃除にも限界があります。そして、その限界を超えた域は担任教師の仕事でした。

夏休みなどの長期休暇中には『職員作業日』という日が数日間設定され、毎年違う内容で学校職員が協力して作業します。

プール掃除に校庭の草むしり、排水溝の溝掃除、体育用具を入れる倉庫建て、教室の油引きやペンキ塗りなどをやったことがあります。

これ、オーストラリアではすべて専門業者に任せます。

だって先生たちは『教育』が仕事であって、掃除やペンキ塗りは仕事じゃないからです。

この当たり前の事実を知ったとき、日本の教師は何でも屋だなぁと思いました。

私たちの建築業では学校の修理が多いのですが、仕事の度にオーストラリアの学校は恵まれているなぁと思います。

扉や窓が閉まりにくい、網戸に穴が、ペンキが剥がれかかっている、カーペットが少し剥がれた、壁に穴が開いているだけで専門家が出張修理するんです。

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私の7年間の教師経験(小学校)からして日本の学校ではありえません。各校に用務員はいますが、はっきりいって対応能力は人によります。

もう10年以上前の話ですが、私が教員採用試験に合格して新任として赴任した学校でのこと。

初めての担任でドキドキしながら与えられた教室を開けると、衝撃の風景が広がっていました。

ナイロン床は所々剥がれており、黒板は傷だらけ、教壇はガタつくし、後方の布製の掲示板にはマーカーで大きな落書き、棚には画鋲の針がとび出てなんでも引っ掻くし、ドアや壁も汚れていました。

どうやら前年度に学級崩壊にあった教室だったそうですが、いくらなんでも酷すぎる。

始業式までの1週間は必死に掃除をし、できる限りの修復を一人でしたのを覚えています。

掲示板の落書きを隠すために模造紙を貼るのに同期が手伝ってくれましたが、それ以外は全て一人でやりました。

それ以降も細々としたものが壊れたりしましたが、教員生活7年間では扉や窓の建付けが悪いのは当たり前で、その他物が壊れていても教師のごまかし修理でなんとかやっていくものだと思っていました。マイ工具を買って教室に置いていましたからね。

毎月各教室の点検をして報告していましたが、その対応は1人の用務員が20教室を廻るので時間がかかりますし、用務員の技術にもよります。

窓ガラスが割れる以外では専門業者にお願いすることはそうそうなく、運が良くて数ヶ月後に用務員のできる範囲での修理があるくらいでした。

もちろんこれは自治体、もっと言うならば学校、すなわち管理職によって違います。

同じ市内でも設備投資に対する考え方が全く違う学校もありました。(良い意味で)

でも結局のところは、日本政府が教育現場にお金を回さないのが大問題なんですけどね。

オーストラリアの専門性を発揮した雇用の確保

警察署の紐交換の仕事のとき、紐くらい自分たちで交換したらいいのにと旦那氏に言ったら、『それは彼らの仕事じゃない』という答えが返ってきました。

紐を交換している時間があるならば、町の安全の為に仕事をすべきだということです。

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交番サイズの警察署ですが、電話や窓口対応、掃除を担当する事務員がいます。

だって、これらは警察官がすべき仕事ではないから。

その人にはその人の果たすべき仕事があるんです。

学校の掃除をするクリーナーのことも、『学校の掃除を子どもがするのはいい習慣だけど、それを全て子どもと教師に任せたらクリーナーの仕事が無くなる』と言う旦那氏。

特にコロナ禍の今では掃除専門の人は必要ですよね。

コロナ前のオーストラリアでは始業時間前後にクリーナーが掃除をしていましたが、現在は始業中も在駐して一日何回もトイレや公共スペースの掃除をしています。

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今年5月の同期からの話では、日本の学校では教師が消毒をしていたと聞いています。

なんと恐ろしや・・・と思いましたが、日本の学校の状況を知る者としては、そうなるよね。。。とも思ってしまいました。

 

空港で駐車場までの送迎車が到着したときのこと。カートを置き場に戻そうとしたら運転手に、『それはしなくていい。人々の仕事を奪ってはダメだ。』と言われたことがあります。

運転手としては早く出発したいという思いがあってそういう発言をしたのかもしれませんが、そういう考え方があるのだと衝撃を受けたことを覚えています。

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こうやって一連の発言をみると、オーストラリアでは人々の仕事が専門的に分かれており、日本のような何でも屋みたいな人はそういなさそうです。

以前、アメリカ在住の誰かのツイートで『アメリカでは自分の専門外で日本のようにあれもこれも引き受けると舐められる』みたいな内容を見たことがあり、海外在住の人からたくさん共感を得ていました。

日本ではあれもこれも引き受けてやる人が評価されますが、海外では逆なのです。

それぞれの専門性に特化してできることはする・領域外のことはしないと徹底することで、責任の所在もはっきりして仕事の効率が上がるということです。

日本の社会人生活では学校現場でしか働いたことがないので学校のことしか分かりませんが、私の教師生活から掃除や作業を除くとだいぶ楽だったと思います。

作業というのは肉体的なものだけでなく、教材費や給食費のお金の管理も担任の仕事でした。

支払いの無い家庭には担任が催促の電話をしなければならず、保護者とこじれることはしょっちゅう。それでも払ってくれなけば、担任が立て替えることもありました。しかも私は退職したので、1万円ほど返ってきていません・・・

そして無駄に多い書類作成。。。

目の前の子どもたちと向き合う前にしなければならない事が山のようにあります。

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ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、言いたいのは教師は何でも屋ではないということです。

本業は教材研究や学級経営なのに、それ以外の業務が多過ぎます。そして、それをやって当たり前の扱いを受け、やらなければダメな奴というレッテルを貼られます。

全ての業務を定時で終わらせることは不可能です。まず、会議が定時で終わりませんからね。

私は性格上全てを徹底的にやらないと気が済まないタイプだったので、年々経験とともに業務が増える中で仕事時間が長引き、学校に7時~21時まで勤務しているのに仕事はさらに持ち帰り、土日も勤務している状態でした。

心身の限界を感じていたタイミングで海外へ行こうと思えるきっかけがあったのでスパッと退職しましたが、あのまま続けていたらどこかで自分が壊れてしまっていたと思います。

 

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ハシゴに上らないというオーストラリアの学校の話から日本の苦労話に展開していましたが、これは私が学校修理仕事に行く度に思っていることです。

オーストラリアの先生たちは恵まれているなぁ~

日本の先生たちは何でも屋だなぁ~

と。