こんにちは☀
西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩🌾
前回記事では、
- 我が家で飼っていたニワトリとガチョウの7羽がキツネに殺された
- オーストラリアではキツネや猫などの外来種による自然界の荒らし被害があとを絶たない
- 国をあげて外来種(特にキツネとネコ)の撲滅のためにされている取り組み(毒やシューティング)
について書きました。
今回の記事は動物愛護の方には向かいない話『シューティング(狩猟)大会』についてです。
狩猟大会に参加した経緯と大会の様子について書きますので、最後の方には動物の死骸写真も出てきます。
そういうのが苦手な人は、今回の閲覧はご遠慮ください。
※動物死骸写真掲載の手前には警告を入れますので、写真をとばしながらの閲覧は可能です。
オーストラリアで大迷惑な外来種たち
詳しいことは前回の記事に書いていますが、ざっくり言うと
- オーストラリア大陸にいなかった外来種は白人開拓時代にヨーロッパから持ってこられた
- 時とともに外来種が野に放たれオーストラリアの固有種(ネイティブアニマル)を攻撃して、オーストラリア独特の生態系を壊している
- 固有種以外にも家畜や家禽に危害を加える
詳しいことは前回記事をご覧ください↓
シューティング大会
このように外来種による被害が後を絶たないので、撲滅活動のひとつにシューティング(狩猟)大会があります。
私の住むエリアでは地方自治体主催のシューティング大会が年に一度開催されます。今年は3月下旬に開催されました。
※オーストラリアで銃を所有するにはライセンスが必要です。ライセンス取得には、銃を必要とする理由が必要(大きなファーム所有など)なので、誰しもが銃を所有できる国ではありません。
シューティング大会概要
目的
固有種やファームの家畜に危害を加える外来種を駆除するため、狙うはキツネ、ネコ、ウサギ、その他野生化したブタなど。
参加方法
事前にチーム登録をし、参加費は無料。
そのエリアの外来種駆除が目的なので、別にローカルじゃなくても参加が可能。
競い方
シューティングエリアは個々の自由。とはいっても私有地でしか発砲できないので、チームメンバーのファームだったり、近所のファームだったり。
シューティングするのは指定された日時(今年は3/20の夕方17半から翌朝6時)で、翌朝に死骸を持って集合!捕らえた獲物の数や重さ、走行距離などで競います。(詳しくは後半へ)
私たちのシューティングナイト!
私たちは旦那氏と私の2人チームでエントリーしました。
旦那氏はライフルを所有していますが、私はライセンスを持っていません。しかし、旦那氏の監視の元ならばライフル使用可なんです!
日頃から旦那氏はファーム内でシューティングはしておりそれに同行することはありましたが、自分で撃ったことはないのでチームメンバーとして練習してみました。
これ↓私の人生の初打ちですが、ちゃんと肩口に当てておらず見事にスコープがおでこを直撃し涙しました😭
今晩はこのエリアのキツネ狩り大会なので、ライフルの練習!
— 兼業農家👩🌾ナイーブME in 🇦🇺 (@kengyonouka) 2020年3月20日
初打ちではスコープに近過ぎて、発砲後にスコープがおデコに激突‼思わず涙が出た😢
明日の朝6時に、獲れたキツネを持って集合するそうな🦊#オーストラリア #田舎暮らし #キツネ狩り #ライフル pic.twitter.com/SGF2EdgNP2
薄暗くなってきた17時半からシューティング開始!
始める前には車のメーターをゼロに戻します。というのも、あとから知りましたが部門賞で『走行距離賞』というものがあり、そのための記録です。
とりあえずは夕食までの19時くらいまでファーム内をウロウロしましたが、獲物は一匹も見当たりませんでした。
カンガルーだらけです。(↑2匹見えますか?)
実は我がファームでは日頃から1080という毒を撒いているので、キツネやネコ、ウサギを見ることは滅多にありません。野ブタに限っては一度たりとも見たことがありません。
夕食を済ませてからも行きました。遠くには他チームの銃声は聞こえるものの、我がファームには獲物なし。
21時過ぎに家に戻りシャワーを浴びて寝ましたが、旦那氏は大会に参加したからには少しは貢献しないと・・・と言い、夜中にもシューティングへ出ていきました。もちろん私はベッドで待機。。。
遠くで銃声が聞こえるも、気づけば朝でした!
結果報告会
翌朝は、結果報告のため6時半に集合場所へ向かいました。ルールでは獲物を持って集合ですが、私たちは獲物ゼロ💦
集合場所は、このエリア長のファームの倉庫。
この日は雨で、雨漏りのする倉庫の中には10人ほどのイカつい男性がいました。知ったファーマーもいれば、この日のためだけに来た見知らぬシューターもいます。
まずは無料の朝食タイム。BBQで焼かれたベーコンエッグとトースト、紅茶が配られました。
みんなで和気あいあいと話すのかと思いきや、みなさん結構静かで隣同士と少し話す感じ。話を聞いていると、寝ずに一晩中シューティングをしていたチームもいるようです。(きっとベッドで寝ちゃったのは私ぐらい?!)
食後の雨の止んだすきを見て、結果報告を始めるぞ!っと、みなさん勢いよく外へ出ていきました。
結果発表の様子(死骸写真なしバージョン)
獲物のない私は、どうやって始まるのかなーと思いながらぼやっと突っ立っていると、他チームの車の荷台から続々と獲物が出されました!
異様な臭いです。
部門賞があるので、獲物は種類別に並べます。
キツネが一番多いと分かっているので、結果的にキツネを多く採ったチームが総合優勝になるのですが、部門賞としては
- ネコ最多賞
- ウサギ最多賞
- キツネ最重量賞
- ネコ最重量賞
- 最走行距離賞
が存在します。
また、獲物によってポイント数が違います。
- ネコ(首輪無し)、キツネ・・・10点
- ウサギ・・・2点
総合優勝はキツネ約30匹、ウサギ約15匹を狩ったチーム!
弾丸の形をしたトロフィーや地元産ワイン、現金100ドルなどが賞品でした。
部門賞にはクーラーボックスやTシャツなど。
素晴らしいことに参加賞があり、獲物ゼロの私たちは保冷バッグがもらえました!!
最後にはみんなで集合写真でしたが、実はこのときコロナが始まっておりソーシャルディスタンスを保ったためこんな写真になりました💦
結果発表の様子(死骸写真有りバージョン)
※ここから動物の死骸写真が続きます。
各チームで獲物を種類別に並べ、審判が数えます。
最重量賞を選ぶにあたっては、各チームの自己申請された獲物をバネ秤で比べます。
全ての集計が終わると、獲物は重機のバケツに投げ込まれます。
最終的にはどこかに埋葬されるようですが、このあと結果発表のため重機は一旦倉庫裏に停車。
そして結果発表と写真撮影会が始まりました。
シューティング大会の成果
うちの自治体は広いので2ブロックに分けて同時開催しましたが、この大会ではキツネ168匹、ネコ14匹、ウサギ162匹が駆除されました。
普段から我がファームのように個人で毒を撒くファーマーは少ないようで、日頃からシューティング(発砲だけで脅す)をしたり犬を飼ったりすることで被害を防いでいるようです。
旦那氏としては、それでは根本的な問題が解決がされていないとして近所のファームにも毒撒きをしてみてはと声掛けしていますが、面倒くさいようでなかなかされていません。
この大会で獲物ゼロの私たちは、毒撒きがいかに効果的か証明することができましたが、それでもキツネの発情期の今はニワトリたちが殺られてしまいました😥
このようなシューティング大会は残酷のように見えるかもしれませんが、ファーマーにとってキツネやネコは悪者でしかありません(ウサギはフェンス下に穴を掘ったり作物を荒らしたりする)。
大会には大きな企業や銀行のスポンサーも付いており、自治体としては少しでも多くの人に参加してもらいたいイベントなのです。