西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩🌾
先日、旦那氏の親戚のお葬式に参列してきました。
私にとって、今回で3度目のオーストラリアのお葬式。
毎回思うのは、私がこれまで参列した日本のお葬式とはまったく違うなぁということです。
一言で表すと
披露宴パーティーみたい
な感じです。
特に今回のお葬式は、
心の底から『いいお式でしたね。』と
言ってしまったほど。
亡くなったのは80代後半の女性。
曾孫13人という大家族で、参列者は約70人。
宗教についてはよく分かりませんが、カトリックとか厳しい感じではなく、牧師さんがいたわけでもなくゆるーい感じ。(火葬です。)
教会ではなく、墓地に隣接している葬儀場で行われました。
では、気になるお葬式の内容。
まずは、日本と違うところ。(私の経験より)
★服装は自由
全体的に落ち着いた色の服装が多かったですが、全身黒の人はいませんでした。ネクタイ率はゼロ。若い人はパーティーに行くかと思ってしまうほどの格好。参列者は高齢の人が多かったですが、全体的に日本の結婚式の二次会参加の服装レベル。
喪主の娘さん達は綺麗めカジュアルスタイル。
ちなみにうちの旦那氏はジーパンと茶色のコットンシャツ。
★親しくないのに参列
今回のお葬式では、故人には一度だけ会ったことがありますが、会ったことのない人のお葬式にも参列した経験があります。
故人会ったことがなくても、夫婦(カップル)の一方が参列するなら、相方も参列するのが一般的なようです。
これは、結婚式にも当てはまります。
★故人の写真付き栞の配布
海外の(日本も?)本屋さんで無料で貰える幅5cm、長さ15cmほどの栞知っていますか?それが故人の写真と生年月日、一言メッセージなど付きで配布されます。デザインは人それぞれですが、裏面に故人の秘伝ケーキのレシピが載ってるのをもらったこともあります🍰
ちなみに、カナダのお葬式では故人の写真付きのパンフレットをもらいました。
★故人のフォトスライドショー
式の最後の方に、故人の子どもの頃から一生を終えるまでの写真がスライドショーで流れます。参列者みんなで、故人の人生を共有する感じです。
今回のお葬式では、約90年間の記録でステキな写真がたくさんありました。
★家族からのスピーチが多い
日本のお葬式では喪主と友人代表がスピーチするくらいかと思いますが、今回の場合は娘さん達、孫達、曾孫達からと愛のあふれるスピーチが盛りだくさんでした。
別のお葬式では、子ども一人ひとりからのスピーチもありました。
★お葬式は死後1,2週間後
スライドショーや栞造りなど、けっこう準備がかかるからか、日本みたいに翌日通夜、葬式ではありません。
※ちなみに、一昔前はみんな黒の服を着て、スライドショーはなかったみたいです。
今回の式の流れ。
①開場前
会場の外で立ち話。みんな終始笑顔です。
このときに、栞が配布されます。
②開場
式場が開いたら適当に着席。
③棺搬入
棺が家族によって運ばれてきます。
④司会者登場
司会者が故人の経歴を家族との思い出話を織り交ぜながらざっと語る。
⑤家族からのスピーチ
三人の娘さん→10人の孫→13人の曾孫
家族だからこそ知りえる面白エピソードや思い出話から、故人がいかに愛されていたか、そして故人がいかにみんなを愛していたかが伝わる内容。
⑥曾孫によるギター演奏
17歳くらいの少年が、故人が好きだった曲を泣くのを必死にこらえながら演奏。
もう、会場中が涙です。
⑦スライドショー
写真を見ながら、故人の人生を振り返ります。
時々、参列者から笑いがおこることも。
⑧最後の別れ
個人で花を用意している人もけっこういますが、式場でも棺に添える花をくれます。
オーストラリアのお葬式で、日本のように遺体を見たことはありません。
棺の上に花を置いたら、式は終了。
ここまでで、約1時間。
⑨立食パーティー
棺に花を添えたら、そのまま隣の部屋へ移動。
移動した先には、コーヒーや紅茶、サンドイッチやケーキなどの軽食がビュッフェスタイルで用意されており、それらを摘みながら故人の思い出を語ったり、疎遠になっていた親戚や友達が盛り上がったりしていました。
このパーティーは参加自由な感じで、ある程度話し尽くしたらそれぞれ帰っていく感じです。私たちは毎回30分ほどで帰るので、最後までいたことはありません。
私にとっては知らない人だらけでしたが、旦那氏の親戚からは『あなたが噂のお嫁さんね!結婚おめでとう!!』という感じで、たくさん話しかけられました。
まさに、日本の披露宴みたいでしょ?!
私は故人には一度しか会ったことがありませんでしたが、とても笑顔のキレイな明るい素敵な人でした。
お葬式に参列することで、彼女の経歴や家族の事が知れて、彼女がいかに素敵な人生を歩んできたのか分かりました。
また、自分の日本の家族と置き換えて感じることもあり、家族の大切さを改めて噛み締めることができました。
立食パーティーを去る際、故人の娘さん達に
『こんなことを言うのは変だけど、いいお式でしたね。』と伝えると、
『楽しんでくれた?!これが、お母さんのしたかった事なの!』と満面の笑みでハグをくれました。
帰りの車で旦那氏とお葬式の在り方について話していたら、旦那氏の考えとしては
お葬式とは
その故人の人生の祝福の時
であるべきだそうです。
だから、故人の好きだった色の服で参列したり、好きな曲を流したりと、故人を尊重したスタイルが好ましいらしいです。
確かに、本人が好むかたちで最後送ってあげた方が故人も喜ぶだろうし、残された家族も笑顔でお別れできるように思います。
もし海外でお葬式に参列する機会があれば是非とも行ってみてください。
故人を知らなくても、お葬式で知ることができます。
そして、故人の人生を一緒に祝福してあげれたらいいのではないかと思います。