こんにちは☀
西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩🌾
突然の訃報ですが、2022年11月19日の夜、愛犬タロウが亡くなりました。
死因は1080と呼ばれるキツネを殺すための毒を食べてしまったことです。
毒はオーツ麦ひと粒ですが、それをカンガルー肉に埋め込んで敷地内に仕掛けています。
タロウの散歩コース脇にもひとつだけ仕掛けてあるのは知っていました。その辺を通るときはリードをしてかなり警戒して歩いていましたが、その日はキャンプ客を避けようと別コースに行って方向感覚が狂ったあげく、カラスかポッサムかが毒を移動させておりそれを拾い食いしてしまいました。
気がついてすぐに肉は口から取り出しましたが、どうやら毒は飲み込んでしまったようです。
毒の効き始める30分前に吐かせようと獣医にも電話して手は尽くしましたが、結局ダメでした。
あまりの急な出来事で、別れの最後の1時間が壮絶すぎて現実が受け止められませんでした。
ちょっと前まで笑顔で走り回っていたのに、この先1週間分のご飯も今朝作ったばっかりだったのに、来週のシャンプーは旦那氏が初めてする予定だったのに、次の天気のいい日にはスタンディングパドルデビューするつもりだったのに、いつか雪を見せに他州へ連れて行きたかったのに、クリスマスには犬友がプレゼント用意して来るのに、誕生日なんてまだ迎えてもないのに・・・
急に全てが絶たれて、死というものを目の当たりにしました。
これまでも近しい家族や親族を亡くしたことはありますが、ここまで記憶が鮮明で、さっきまで一緒だった命が急に絶たれるのは初めてでした。
ここに書けるようになるまで、最初の数日はとにかく絶望的でほぼ何もできませんでした。
私とタロウは毎日ファームでいっしょに過ごし、私はしょっちゅう大阪弁で話しかけていました。
えぇ子やなぁ、おりこうさんやなぁ、かわいいなぁ、世界でいっちゃんかしこいなぁ、ほんま助かるわぁ、と毎日何十回と言っていたことか。
そんな生活が突如なくなり、タロウがいなくなったあとも外に行くことなくファーム内にいたので、何をするにもタロウのことを思い出して涙していました。
旦那氏もこれまでに見たことのないほど泣き、すごい落ち込みようでした。
しかし、やはり旦那氏はすごい。
悲しみにくれる私の横で、同じ悲しみを持つ旦那氏はタロウを見送る準備をしてくれ、タロウに手紙を書いてくれていました。
その言葉ひとつひとつが優しくて愛で溢れており、タロウは本当に私たちに心から愛されていたという証が記されていました。
翌朝にはファーム内にタロウを埋葬しました。埋葬場所は旦那氏のなかではここがいいなぁと思った場所があり、私の意見を聞いてから話し合おうと思っていたようですが、私と旦那氏の意見は全く同じでした。
それは、来年から本格的に建て始める新しい家の横です。
そこには普段からよく散歩に来ており、砂遊びや水遊びをたくさんした場所です。
そこに生前から使っていた私の手作りベッドにタロウを寝かせて、お気に入りのおもちゃとヤギの角、マルベリーを添えて埋葬しました。
そのあとも私たちはひどく落ち込みましたが、感情に蓋をすることなく、そしてとにかく旦那氏と話しました。
話せば話すほど事故を防げなかったことに対する申し訳なさが心をえぐります。
なんでいつもと違う道に行ったんだろう、なんでもっと早く気づかなかったんだろう、もっと早く吐かせることはできなかったのか、、、
毒を吐かせようとしたときの恐怖や、死に至らしめる苦しみは、私が死ぬまで絶対に共有できるものではありません。
それを考えるとごめんなさいが永遠に繰り返され、なんなら自分の体の一部を差し出せばタロウは助かったのではないかと考えたりもしました。
そんな自分への戒めと悲しみが心を支配していましたが、旦那氏が『過去は変えられないし、タロウは生前から僕たちを幸せにすることが好きだったから、今も幸せでいてほしいと思ってるはずだよ。辛く悲しい気持ちは僕も同じだけど、前を向かなきゃ。最後は苦しい思いをさせてしまったけど、タロウは僕たちといっしょで幸せだったと思ってくれていると信じている。短い生涯だったけど、タロウにとって僕たち以上の飼い主はいなかったと断言できる。』と言いました。
それからは、タロウの写真を見ながら思い出話をたくさんしました。
穴掘りや砂山遊びが大好きで毎日砂まみれだったこと、湖でバシャバシャするのが好きで泥まみれにもよくなったこと、乗り物が大好きでバギーや車に乗って色んな所に出かけたこと、重機に乗って旦那氏と仕事したこと、子ヤギに優しく接したこと、抱っこが大好きでたくさんおねだりされたこと、でも私たちの食事中はじっと耐えて床から私たちを上目遣いで見つめてきたこと、旦那氏のマッサージが大好きで途中で寝ちゃうこと、かと思えばソファーを独り占めしてヘソ天して寝ちゃうこと、怒られたら拗ねるけど実は構ってほしそうなところ、毎朝私たちが起きてきたら目をキラキラさせて喜んで挨拶してくれたこと、私たちが床や芝に寝転がると体を擦り付けて寄り添ってくること、、、
言い出したらキリがないくらい可愛くて愛おしい思い出がいっぱいです。
いっしょに過ごした8ヶ月間は本当に宝物のような時間でした。
思い返せば返すほど、後悔のない時間です。もっとあれさせてあげればよかったと思い残すことがないほど、私も旦那氏もタロウも全力で毎日をいっしょに過ごせていたと思います。
恥ずかしくて家族以外には言っていませんでしたが、私も旦那氏も毎朝それぞれに別の歌を歌ってあげていましたからね。歌ってあげたらタロウからはワォーン、グォーンと返ってくるのが私たちの毎日の始まりでした。
毎朝タロウと顔を合わせるのがどれだけ楽しみだったことか。私たちの生活にどれだけ癒しをくれたことか。
タロウ、私たちのところに来てくれて本当にありがとう。
まだまだ気持ちに浮き沈みがありますが、私たちは慰め励まし合いながら前を向いて生活しています。
今回の事故の原因を冷静に追求して、これから二度とこのようなことがないようにするために何ができるかも話し合っています。
来月からは犬連れのキャンプ客もたくさん来ますしね。
そして、いつかまた犬を迎えたい気持ちはあります。
それがいつになるかは縁に任せます。
ツイッターやインスタグラム、そしてこのブログを通じてもタロウは多くの人に愛されていました。
みなさんの愛、本当にありがとうございました。
タロウ、本当に本当にありがとう。