こんにちは☀
西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩🌾
みなさんにとって『田舎』の定義とはなんでしょうか?
日本国語大辞典によると(田舎とは - コトバンク)
都会から離れた土地、地方。都以外の所。また、人家が少なく、へんぴな所。在郷。鄙(ひな)。
だそうです。
これだと、『都会』や『都』の捉え方がちがうと『田舎』の捉え方もちがったものになってしまいます。
分かり易く人口を数字で表したとしても、面積にもよるので人口密度がいいのかな?でも、人口密度が高いからといって都会であるとは限りません。
まぁ、何が言いたいのかというと育ってきた環境で『田舎』の捉え方度合いが違うということです。
私の住むド僻地な田舎町
私が現在住んでいるところを日本語で説明すると、『ド僻地な田舎』と表現することがあります。
この町には農地しかありません。
この町には小さな商店兼のガソリンスタンドが一軒あるだけで、学校も公園も交番も郵便局も教会も公衆便所さえもない(その割に大きなフットボール場があるのはオーストラリアあるある)、人口100人いるかいないかくらいの町です。2016年の国税調査の結果だと84人だそうです・・・
うちはこの町の中心(ガソリンスタンドがある所)から東に25km離れており、幸いうちから更に東の35km先には観光客に人気な少し大きめの町があります。
とはいっても、それでも人口は400人以下。2016年の国税調査では373人です。
しかしこの町は超キレイな海が有名なので、夏には観光客でいっぱいになります。別荘も多くあるのでぱっと見は結構大きな町に見えますが、普段はほとんど空っぽです。
この町には学校や公園はもちろん、商店、カフェ2軒、レストランのあるホテル1軒、ブリュワリー、ダイビングショップまでありますが、夏メインなので繁忙期以外は週3日オープンとかです。
商店では最低限の食料は買うことができますが、めちゃくちゃ高いです。そのため買い物は150km離れた街まで月に2回ほど行っています。
そんなオーストラリアのド僻地田舎生活7年目で、私なりの『オーストラリアの田舎』の定義ができてきました。
- 町の人口1000人以下
- スーパーがなくて、商店(General store)しかない
- 郵便局が商店と一体化している
つまり、人口が1000人以上で小さくてもスーパーがあって、郵便局が独立して存在していれば、それは立派な町です!
それでも人によっては田舎と感じるかもしれませんが、ド僻地田舎町暮らしの者からするとBig townってやつだと思います。
ド僻地田舎町での暮らし
買い物のように自らが欲して遠出する分には慣れましたが、人が来るということにはちょっと不便があります。
電気・ガス・水道のメーターチェック
★電気
電気は自己申請です。
こんなのが隔月に送られてきて、自分でメーターの数字を書き込んで郵送します。
年に一度くらいは実際に人がやって来て点検するので、そこで帳尻は合わせられるので虚偽の申請はダメです!
★ガス
ガスはプロパンですが、誰も配達なんてしてくれないので自分たちで調達します。
我が家には常に予備として2本あるので、ガス切れになることはありません。
★水道
水道は通っていないので、雨水や地下水を生活用水にしています。
すなわち、水代はタダです。
郵便・宅急便
月・水・金のみ配達されます。
郵便だろうが宅急便だろうが、最終は同じ営業所から届けられます。この営業所は我が家から90km離れたすごーーーく小さな町(人口62人)にあります。この営業所から全てのものが配達されますが、日本でいうと一人のドライバーが郵便もヤマトも佐川も日通も引き受けて配達みたいな感じです。
しかしドライバーはそんなに大きな車ではないので、すごく重たいものやトラックが必要なサイズのものは150km離れた大きな街の営業所までしか届かず、そこから先は自力で取りに行かないといけません。
ちなみに、農場エリアは道路から家が離れているものなので、郵便受けは配達しやすいようにメイン道路沿いに設置するものです。
家まで来てドアを叩くなんてことはありませんので、郵便受けは宅急便も入るようにと大きなものを設置します。
隣の白い箱は隣のファームのですが、これもけっこう大きいです。
それでも、この郵便受けに入らない場合もあります。
その場合は、ドライバーが『今から大きな物の配達があるからブッシュに隠しておくね!』と事前に電話してくれます。
ブッシュとは青ドラムの後にある茂みのことです。
ドライバーは対面受け取りするまで待ってくれるわけではないので、茂みに隠して置いて行くのです。
家にいればすぐ確認しに行けますが、いない場合はブッシュ隠しの電話のときに今日の配達はキャンセルして次回に回してもらったりすることもできますが、電話に出そびれたら基本的にブッシュに放置したままということになります。
そうなるとさすがに僻地とはいえ不安なので、近所の人に連絡して取りに行ってもらったりすることもあります。
また、書き留めにしていても普通に郵便受けに入れられるだけです。大事な書類であろうがクレジットカードだろうが、高価な商品であろうが郵便受けにポイッと入れられて配達完了です。
ドライバーが1軒ずつ鍵を開けるなんてしてくれないので鍵付きにもできません。
実は我が家の場合は家から郵便受けまで3km離れているうえに、郵便受けの横には有名な4WD専用の道があるので空気圧を調整するために停車している車がけっこういます。
つまり、ブッシュに隠されている段ボールや書き留め扱いの郵便物が鍵もない郵便受けに普通に入っている状態なのに、郵便受けは人目に付きやすく自分たちには遠い存在なのです。
そのため、大事なものが届くとわかっている日は郵便受けの確認をマメにします。
先日は新しいスマホが届くはずなのになかなか来なくて、一日に4回も確認しに行きました。
先週木曜日にオンラインで買ったスマホが今日届いたー🤩‼️‼️‼️
— 兼業農家👩🌾ナイーブME in 🇦🇺 (@kengyonouka) 2021年12月22日
田舎住まいには書き留めなんて存在しないから盗まれるのが怖くて、家からポストまでの往復6kmを4回もしたさ🤪
やっぱクリスマス前は郵便屋さんも大変みたい💦ご苦労様です😌
#galaxys21 #田舎暮らし https://t.co/VpwIvORIEg pic.twitter.com/bUgJLZHXMu
往復6kmの4回なので24kmです。さすがに車で行き来しましたが結構な時間を費やして大変でした。
そんなに郵便物が不安ならば私書箱でも使えばいいかと思われるかもしれませんが、最寄りの私書箱まで35kmあります。
だったら1日4回往復しても24kmの方がマシです。
警察・救急・消防
★警察
この町も隣町も警察署も交番もありません。
最寄りの警察署は70km離れた町にあるので、ここの人がたまにパトロールしに来るみたいです。
夏の観光シーズンは都会からアホな人がたくさん来るのでパトロールが強化され、泊まりがけでいるようです!
警察のいない町なんて平和だなぁと思われるかもしれませんが、みんな基本的に自己防衛能力が高いのです。
多分どのファームにもライフルかショットガンはあります。ファーマーですからね。(※狐やウサギ、カンガルー用)
窃盗や不審者情報はローカルグループのFacebookやWhatsAppなどであっという間に伝わり、男気溢れるファーマーが出かけがてらに見回りをしてくれます。
★救急
うちの町と隣町の合同の地元ボランティア団によって救急メンバーが組まれているので、比較的対応は早いです。
一度救急センターでの建設仕事があったので倉庫の中を覗きましたが、4WD車やボートもあって常にバッテリーが充電されており、いつでも出動可能!という感じでした。
しかし車の数にも限りがあるので、夏は都会から来たアホがアホな事故を起こしてボランティアに無駄な苦労させるということが多発して困っています。
田舎には資源の限度が小さいということを理解して欲しいです。
ちなみに、救急車が来たとて病院は150km先にしかありません。
この町も隣町も医者が常駐していませんので、救急隊員が手に負えない場合はヘリか飛行機搬送です。
★消防
こちらも地元ボランティア団です。旦那氏はこの一員です!
基本的にどのファームもファイヤーファイターという散水車のようなものを持っています。
ファームエリアでは自分の火は自分の火で消すのが基本で、無理ならば近所のファーマーがファイヤーファイター持参で手伝ってくれます。
さらに規模が大きくなると町の消防車が発動しますが、トラックを発動させるのには3人のクルーが必要です。
なので、火災の連絡が入ればローカルのグループメッセージにリーダーから『今から行ける人いますか?』とメッセージが来て、メンバーが揃い次第出動します。
そんな感じなので、旦那氏が急に消火活動へ出かけて丸一日帰ってこないこともたまにあります。
医療
これは『人が来る』という観点からは少しずれますが、救急のときに少し触れたので付け加えておきます。
とにかく、常駐した医者がいません。
週一回で町に来てくれますが、うちの町と隣町、そのまた隣町と隣町を毎日ハシゴしている感じです。(町々のハシゴ移動総距離は250km超え)
でも隣町には看護師が月・水・金いてくれているので、それでなんとか保っている感じです。
私たちもそうですが、だいたいの人は大きな街にかかりつけ医師がいます。オーストラリアでは予約しないと医師に会えないので、近くじゃなくてもその点はあまり問題ありません。
交通手段
この町にはもちろん公共交通機関は存在していません。
唯一あるとしたら、うちから90km離れた町に長距離バスが週一回止まるくらいです。
タクシーもありません。たまにFacebookのローカルグループで、シェアライドさせてください的なメッセージはあります。
訪問販売やアポ無し来客
ファームによりますが、我が家の場合は家からメインゲートまでが遠いので常に鍵をかけています。
なので事前連絡がないとゲートは開いていません。
インターホンもないので、アポ無しの人に会うことはありません。
出前
あるわけない。
そもそも夕食まで食べられるような店自体が隣町の2軒しかない。
ウーバーイーツを使うことがいつかの夢。
ということで、私のド僻地暮らしの様子でした!
都会暮らしの人には想像できないかもしれませんが、慣れてしまえばどうってことありません。
みなさま、良いお年を~