ナイーブなMEは兼業農家

西オーストラリア州南部で建築とヤギ飼いの兼業農家。自給自足の生活を目指します!

【子ヤギ】孤児ヤギをペットヤギに!~ボィボィとガルガルの誕生秘話~


スポンサードリンク

こんにちは☀

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

ここ1ヶ月以上忙しい忙しいと言っていますが、その最大の理由は子ヤギラッシュです。

上の記事では65匹だった子ヤギも、10/10では94匹になりました。

この子ヤギラッシュ中に、母ヤギを亡くした双子がいます。

現在その子たちの母役を私が担っており、それが睡眠時間を削ることになり疲れ切っているのです。

f:id:kengyonouka:20211010221420j:image

彼らの名前はボィボィとガルガル。

右側のオスはボーイから由来してボィボィ、左側のメスはガールから由来してガルガルと呼んでいます。

命名は旦那氏!

ペットヤギは飼わない主義でしたが、今では名前もあってペットみたいな感じです。そうならざるを得なくなった経緯を紹介します。

ペットヤギ誕生秘話

元気な双子ヤギが誕生したものの・・・

彼らは9月4日の朝、私たちの手伝いを必要とすることなく勝手に産まれていました。すなわち難産でもなく、母子ともに健康でした。

私が発見した時は初授乳も終わっている状態で、その後も母ヤギは子ヤギから離れることなく、手のかからない優秀な親子でした。

しかし、翌朝に母ヤギが瀕死状態で見つかりました。

口から泡を吹いて体を硬直させて、もう助からないのがわかるような状態でした。おそらく毒蛇に噛まれたのでしょう。

それでも子ヤギは母の声がする方へ行き、お乳を探ろうとしていましたが、死を目前とした母ヤギにはハエがものすごく集っていたので、私は子ヤギを遠くへ移動させました。

そしてまもなく母ヤギ死亡。

子ヤギたちは孤児になりました。

これは困った・・・

なぜなら、ヤギは我が子にしかお乳をあげないので、このままでは完全に人工哺乳になってしまいます。

人工哺乳の大変さは、今年5月のペットヤギのチョコレートのときに経験済み。たった10日間でしたがとても大変でした💦

www.naiveme.net

でも、とにかく粉ミルクを哺乳瓶であげないと餓死してしまうので人工哺乳を始めました。

孤児ヤギを養子にとって作戦!

その日の午後に、ある母ヤギが数時間の超難産の末に死産しました。

同じ日に孤児ヤギと子なしヤギができてしまったのです。

そこで旦那氏がある作戦を決行します。

その名も孤児ヤギを養子にとって作戦!

旦那氏がどこかで読んだ情報によると、バニラエッセンスを義母ヤギの鼻と子ヤギに塗って我が子と錯覚させることができるらしい。

f:id:kengyonouka:20211010223757j:image

他にも母乳を絞って子ヤギの頭に塗ったりするといいらしく、両方やってみて狭いスペースに閉じ込めてしばらく様子をみましたが、結果は残念。

お腹の空いた子ヤギはお乳を飲もうとしますが、義母ヤギが嫌がってしまい成立しませんでした。

そして翌朝には、義母ヤギが死んでいました。前日にはかなりの難産だったので、母体へのダメージが大きかったようです。

これにて双子ヤギは本当に孤児ヤギになったのでした。

人工哺乳生活

この日から本格的に人工哺乳生活がスタート!

オスはよく飲みますが、メスの吸い付きが悪い。メスが飲んでる横からは、オスがもっとくれくれ!っと指を吸ってきました。

メスは飲み始めると首の角度が変に曲がる癖があったので私の股に挟んだり、オスの邪魔が激しいと人間の赤ちゃんのように抱っこして飲ませたりと結構手がかかりましたが、少しずつ飲めるようになってきました。

1日どれだけの量を飲むのかというと、

  • 1週目:700㎖
  • 2週目:1000㎖
  • 3週目:1400㎖
  • 4週目:1700㎖

この量を1日4,5回に分けてあげます。

授乳時間は色々試して一時は朝4時に授乳していましたが、こちらの身が持たず💦

最終的には2週目までは5・11・17・22時に、3週目は6・10・15・22時、4週目以降は6・10・15時半・20時半と少しずつ私たちにも優しい時間帯にずらしていきました。

朝早いのよりも、夜10時のが寝たいのに寝れないというのでかなり辛かったです。

2週目から朝イチの担当は旦那氏でしたが、やっぱり私も目は覚めちゃうんですよね💦

メスは最初の2週間くらいは抱っこや股に挟んだりしないといけなかったので、パジャマでは授乳できずわざわざ着替えて大変でした。

そんな彼らも少しずつ成長してきいます。

これだけ毎日時間と体力を割いて育てていると情が湧いてきます。

はじめのうちはオスのことをボーイ、メスのことをガールと呼んでいましたが、次第に旦那氏がボィボィ・ガルガルと呼び始めたのです。

ボィボィの不調

3週目までは明らかにボィボィが絶好調で、ガルガルは食欲もあまりなくいつもボィボィの陰に隠れている感じでした。

ガルガルは前脚を引きずって歩くような仕草が2週間ほど続いており、これも心配の種でした。

もし母ヤギが生きて子育てをしていたら、おそらくガルガルは生き残れなかったでしょう。

これがどうしたことか、3週目に入ってからはボィボィに食欲不振がみられはじめました。あんなにガンガンミルクを吸っていたのに、全く飲まなかったりすることも。

その間にガルガルが驚くほど絶好調になり、あっという間に形勢逆転。

ボィボィの食欲不振の原因はわかりませんが回復しています!

ボィボィ・ガルガル中心の生活

9月はパース遠征などの泊りがけの外出が3回ありましたが、すべて旦那氏だけが行き、私は子ヤギやカモの雛などの世話があるのでファームに残りました。

パース遠征は往復で1000kmを超えますが、その距離を旦那氏一人にさせるのはけっこうな負担です。

最初は旦那氏のことが心配でボィボィとガルガルも連れていっしょに行こうとしたことがありましたが、現実的に考えて移動中の授乳や寝床の確保、移動中に快適に過ごせるような環境を考えると無理がありました。

結果的に旦那氏には4000km近く一人で運転させることになってしまい、人工哺乳で子ヤギを育てることの大変さをつくづく感じました。

どんなに疲れて眠たくても授乳のために早朝・遅くまで起きて、日帰りで出かけるのにも授乳時間に合わせ、粉ミルクがなくなったときは大雨の中でも他のヤギの乳を搾り、大雨が降ればその中迎えに行き、食欲がない時は毎時間のように様子を見に行ったりと本当に手がかかりました。

ミルクを全部飲みきれたらほめたり、木登りの仕方を教えたり、他の子ヤギと遊ぶように促したりとまるで親の気持ちです。

f:id:kengyonouka:20211012181458j:plain

ボィガルに木登りを教える旦那氏

f:id:kengyonouka:20211012181547j:plain

この木は子ヤギに大人気

ここまで苦楽を共にしてきたボィボィとガルガルは私たちにとって特別な存在になりました。

キャンプ客が来れば一緒にあいさつに連れて行き、家族の一員としての位置付けとなり始めたのです。

チョコレートのときにあれだけペットヤギはいらないと言っていましたが、情が移り過ぎて彼らはペットヤギになってしまいました。

現在のボィボィとガルガル

今では完全にガルガルの方が強く積極的です。

ボィボィはこれまで2度の食欲不振があり、めちゃくちゃ甘えん坊です。

もう6週目に入ったので、最近は授乳量や回数を減らして乳離れの訓練をしています。

ゴズリングズ(ガチョウ雛)と同様、これまでは夜は裏庭の温室で過ごさせていましたが、ついに昨晩から他のヤギといっしょに外で過ごさるようにしています。

初夜は嵐のような天気だったので、私は心配し過ぎて夢にまで見てしまいましたが、今朝元気な様子がうかがえてとてもうれしかったです!

授乳後もお腹が空いているようでしたが、これからはもっと草を食べてもらいたいので心を鬼にしてミルクの量を減らしていきます。

 

ところで、ペットヤギとは言っても家の周りで飼うとかではありません。

特別な存在なだけであって、生活スタイルは他の家畜ヤギと同様です。人工授乳をしている時点で人間に懐かないようにすること自体が不可能です。

ガルガルはメスなので売ることはありません。

ボィボィはオスで種ヤギに適している感じではないので通常ならば売られるヤギになりますが、ペットとして売らずに飼い続けるという感じになると思います。もちろん去勢はしますが。

ただ、ペットヤギで一番やっかいなのは人間を恐れないことです。

近くに来てほしくないときも寄ってこられるが仕事中には面倒です。

先日、車でヤギの様子を見て回ろうとしたときにエンジンをかけると他のヤギは逃げていくのに、ボィボィとガルガルはいっしょに乗せてと言わんばかりに車の傍から離れませんでした。

車を発進させたくても轢いてしまいそうなほど近くに居座るので、結局私がボィガルとその場に残ることになりましたがこれが続くと厄介です。

ということで、この先どうなるかは分かりませんが、うちにいる限りは愛情たっぷりで育てたいと思います!!