ナイーブなMEは兼業農家

西オーストラリア州南部で建築とヤギ飼いの兼業農家。自給自足の生活を目指します!

コロナによってキャラバン生活を始めたある家族の話


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こんにちは☀

西オーストラリア州で兼業農家をしております、ナイーブMEです👩‍🌾

 

ブログ更新が過去最長に止まっていましたが、実は2月はめっちゃ忙しかったのです!2組の滞在者が来ており、その準備や対応に追われていました💦

今回は、そのうちの1組について。

彼らの滞在期間中はけっこうTwitterでボヤいてはいたんですけどね。

何が起きていたのかお話しします。

ワークエクスチェンジとは

我が家ではワークエクスチェンジというシステムを採用しています。

ワークエクスチェンジとは1日約4時間の労働をしてもらい、それに対して無料で宿と食事を与えるというものです。

旦那氏とはこれで出会ったのですが、私はそれまでもいくつかワークエクスチェンジをしてきました。

www.naiveme.net

金銭の発生しないワークエクスチェンジでは『文化交流』も大切でして、我が家の場合は午前は仕事、午後はどこか観光しに行ったり、お菓子や食事を一緒に作ったりしています。とにかく、ただの労働者という扱いはしないという感じです。

ただし、労働と宿・食事を交換するので両者にとって公平でないと成り立ちません。

私は現在はホスト側で、ヘルパーとしては過去に4軒で経験していますが、ホストの方がヘルパーよりも明らかにしてあげていることが多いと思います。してあげていることというのは直接的でなくても、ホストはそのファームを経営しているのでヘルパーのいる期間は仕事内容や自分たちの都合を調整したり、食べ物にも気を遣い使います。(気遣わん人もおるやろうけど)

その点、基本的にヘルパーは自由な身な人が多いので他人の家に住むことに気を遣う程度です。(全く気遣わん人もおるけど)

私は個人的には、ホストよりもヘルパーでいたときの方がよっぽど気が楽でした。ホストになるとストレスが半端ないです。

そんな私たちのストレスを短期間で増長させたある家族の話をします。

キャラバン生活家族とは

40代前半夫婦に子ども3人(7,8,9才の年子)。

昨年の西オーストラリア州のロックダウンを経験してから人生このままでいいとかと疑問に感じはじめ、新しい人生の選択肢を見つけるためにキャラバンで旅生活を始めたのが昨年の12月。

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旅をしながらこれまでの生活を見つめ直し、新たな土地でワークエクスチェンジをしながら人々のライフスタイルを見て学ぶことがこの旅の目的だそうです。

1月初旬、ワークエクスチェンジのサイトを通じて旦那氏に連絡が来ました。その内容は、

2月初旬から3週間ほどワークエクスチェンジがしたい、キャラバンを持っているので基本的な生活は自分たちで自立してできる、ただし働けるのは旦那のみ、嫁は子どものホームスクールの面倒を見なければならない、

という感じでした。

過去に100人以上のヘルパーを受けてきた旦那氏でさえ、家族丸ごとを引き受けたことはありません。そのためちょっと迷いましたが、キャラバンで自立した生活ができるようだし、心機一転しようとしている家族を応援する気持ちで迎え入れることにしました。

ただし滞在期間については、とりあえず1週間様子を見てから決めるということで。これは誰が来てもいつも言っていることです。だって、ヘルパーとして役立たない人にタダ宿・飯をいつまでも与えるわけにはいきませんから・・・

キャラバン家族は役に立ったのか?!

彼らが来てから去るまで色んなことがあったのですが、それをすべて書くとダラダラ長くなりそうなので結論から言いますと、1週間で退去してもらいました。

公平さが感じられない

いくらキャラバンがあるといっても水と電気は私たちが提供するわけです。いくら子ども3人とは言え、5人分の水は結構なものです。我が家にはエアコンはありませんが、キャラバンでは常にエアコンが付いていました。

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食事に関しては子どもと生活時間が違うために朝食と夕食は完全に私たちと別にし、ティータイムとランチをみんなで一緒に食べていました。食材の野菜類や卵などファームから採れるものは私たちが提供していました。

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当初のメールでは旦那さんだけが働けるとのことだったので、私たちはてっきり彼が丸1日働いてくれると思っていました。だって、ワークエクスチェンジは一人の4時間労働に対してその人に宿と食事を提供するのが基本ですから。

しかし実際には、中途半端に奥さんと子どもも手伝いたいと申し出てきました。彼らの出来ることは草むしりや野菜の収穫くらいなのでそれをお願いしましたが、結局子どもは動物をに気を取られたり遊び始めたり、すぐ喧嘩したり、疲れたじゃお腹が空いたじゃと文句が多く、全く手伝いにはなっていません。

手伝いと言うかファーム体験みたいな感覚なようでしたが、監視をしていないと何をしだすか分からないので私は付きっ切りでかなり時間を取られました。肝心の母はキャラバン内の掃除をしていた様子。

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旦那さんの方は力仕事の経験がないようで、全てが初めてのこと。それはそれで一生懸命やってくれれば構わないのですが、旦那氏から聞いていると彼は仕事の選り好みをしている様子。そのうえペンキをバケツごとひっくり返したり、貴重な雨水の蛇口を閉め忘れて1時間以上ダダ洩れにしたり、休憩をあげると45分帰ってこなかったり、しまいにはオフィスワークが好きだと言い始めたり・・・

そして、こちらは何も言っていませんが当り前のように午前中しか働かず、かつ土日休んでいました。

※厳密に言うと、土曜にオフをあげたら日曜も働きに来なかった💦

我が家に到着したのは水曜の午後、仕事をしたのは木、金、月、火の4日間の半日でしたが、日に日に旦那氏から笑顔がなくなり寝つきも悪くなりだしました。これはかなりストレスを抱えているサインです。。。

そして、1週間経った火曜の仕事終わりに旦那氏が向こうの旦那さんに『これ以上は働けない』と告げ退去してもらうことになりました。

私たちとしてはこの1週間は最後までチャンスを与えましたが、最後まで挽回をする態度が見られなかったのです。

自分に酔いしれている???

彼らは決して悪い人たちではありません。コミュニケーションをとる分には問題ありませんでしたし、おしゃべりしていても楽しかったです。ただ、ワークエクスチェンジをする公平な相手ではなかったのです。

私は奥さんと話す機会はけっこうありましたが、聞いていて思ったのはこのキャラバン生活にかなり夢を見ているな~という印象を受けました。

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うちに滞在し始めた3日目には、『私たちこの旅を終えたらこんなふうなファーム暮らしをするわ!』と意気込んでいましたが、旦那さんには全くそんな技術はなさそうでしたしそれを学ぼうとしている姿勢も見られず。

子どもはホームスクールといって保護者が責任をもって家庭学習をするようにしていますが、彼女から言わせたらこのキャラバン生活では学校で学ぶことよりも遥かに大切なことが多く、それはみんなで協力して働くことだったり、思いやりだったり・・・

しかし現実に私が見たものは、ただのきょうだいの馴れ合いでした。姉は大人の顔色を伺うのがうまく、下の妹はすべて兄や姉任せ、真ん中の子だけ男の子で学校と友だちが恋しいとよく旦那氏にボヤいていたようです。

オーストラリアの学校事情をよく知らないので何とも言えませんが、日本の学校を知っている私からすると、学校の方が同年代に囲まれて協力や思いやりを学びやすい環境です。これは世界共通で同じかと思うのですが。。。

きょうだい同士の交流は放課後や休日に十分できるやん・・・と思いつつ、そんなことは彼女には言いませんでしたが。

確かに仕事も子どもの学校も置き去りにしてキャラバンひとつで旅をすることはかなりの決心だったと思います。これを今更否定できないので、彼女はこの生活を肯定しまくって自分に酔いしれているように見えました。そして、この生活の先にたどり着くところに大きな夢を見ているようです。

我が家を去ってからは連絡を取っていないので彼らが今どこでどのように生活しているのかは分かりませんが、子どもたちにとって良い生活をしていてほしいと願います。